一括物流とは
小売業との関係強化を狙った物流戦略として、卸売業が最も力を入れているのが一括物流の受託である。一括物流とは、モノと情報を一元管理することで実現する高品位物流である。すなわち、これまでばらばらに管理されていた各卸物流を、括物流センターと小売専用の情報システムで運営する共同物流システムである。小売業は、店頭作業の効率化追求を目的に、一括物流を志向している。一括物流は、次の内容を実現する機能およびメリットを有している。
1)専用センター(システムは小売側の専用システムを導入する場合が多い)
2)一括納品(小売側の受入れ業務の削減、店頭作業の削減が可能になる)
3)一括発注(小売側の発注業務が軽減される)
4)定時定配の確立(小売側は荷着時刻に応じた人員体制が計画的に実施できる)
5)検品代行(店頭でのノー検品が実現できる)
6)車両台数削減(物流コストの削減が可能になる)
7)納品率向上(機会損失が削減できる)
8)カテゴリー納品(商品を中分類程度に店別配分して納品する。チェーンストアが望む形態)
9)売場直結納品(陳列作業効率化の実現
一括物流センター
ー括物流は、配送部分のみならず、ロジステイクス全体に及ぶシステムである。ASN(事前出荷明細、Advanced Shipping Notification)、SCMラベル、EDlなどの情報技術を物流システムに盛り込むもので、納品体制にしても「ノー検品」「カテゴリー納品」「定時定配」など店舗の作業量が低減するような納品形態を実現する。その中核を担うのが一括物流センターであり、在庫の有無により次の2つのタイプに分けられる。
1)在庫型(DC型:デイストリビューションセンター): 在庫を抱えるセンター
2)通過型(TC型:トランスフアーセンター): 在庫は持たずに店別仕分けや流通加工を行うセンター