退職給付債務(たいしょくきゅうふさいむ)

退職金規程等に基づき、事業主は、従業員の退職時に退職金を支払う義務を負っている。この支払義務を一定の合理的な基準によって会計的に認識、測定したものをいう。退職給付とは、一定の期間にわたって労働を提供したことを根拠として従業員等に支給されるもので、退職給付債務は、いろいろな仮定を前提に、複雑な計算(数理計算)を行って算出する。そのため、実際の計算は信託銀行や生命保険会社に所属するアクチュアリーなどの専門家に委託するケースが多い。計算方法は、将来退職するときの給付を確率や統計の考え方により算定し、そのうち現時点(期末)までに発生している部分について現在価値に割り引くが、算定には次の4段階がある。①昇給率を用いて将来退職時(各年齢ごと)の退職給付額を予測する。②退職確率や死亡確率を用いて退職給付見込額を計算する。③適切な期間配分方法を適用して当期末までに発生していると認められる額を算定する。④割引率を用いて現在価値に割り引く。

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