ここでの什器とは陳列用什器、つまり陳列棚やシヨーケースのことである。
陳列棚・陳列台
商品陳列のための棚・台で、さまざまなタイプがある。
ゴンドラ
複数の棚のある陳列台で、多くの種類がある。置き場所による分類では、中置き用ゴンドラと壁面用ゴンドラがある。スーパーマーケット、CVS、衣料品店などで利用されている。
ひな段型陳列台
名前のとおり階段状になつているため、複数の商品全体を顧客に見せることができるが、その分陳列できる商品量は少なくなる。小さい商品や積み重ねることが不向きな商品に利用されている。
ショーウインドウ
この中に商品を展示し、店舗の外を通る人たちの注意を引きつけ、店内に誘導するために設置する。買回品の店舗や専門店で多く利用される。
ショーウインドウの外から店内を見ることができるか、できないかという観点から、オープン型ショーウィンドウとボックス型ショーウインドウがある。
オープン型ショーウインドウ
ショーウインドウのウィンドウバツク(後ろ側の壁)がないタイプである。店内が見えるため、誘導効果が期待できる。ウインドウ内だけでなく、店外から見える店内のことも考慮することがポイントである。
ボックス型ショーウインドウ
ショーウインドウの内部が壁面になつていて、ウインドウを通して店内は見えないタイプである。オープン型にくらべ視線を集めやすく、いわゆるウィンドウショッピングに向いている。ウインドウをライトアップすれば閉店後でも、店舗訴求や演出などの効果が期待できる。
ステージ
床より1段高い場所に商品を陳列することによつて、重点商品のアピールを行うために設置する。衣料品、家具、電気器具などの売場で多く利用される。商品の大きさにあわせて、ステージの高さを変える。大型の商品ではステージは低め(20cm程度)、衣料品などでは高め(70~ 90cm)。
置きステージ
壁面に設置するタイプで、多くの場合固定して利用する。
アイランド・ステージ
店内の中央部で顧客の視線が集めやすい場所に設置する。置きステージに比べれば、一般に小型で固定しない。
ショーケース
通常はガラスケースで、高さが低いものは、商品の陳列の他、接客用のカウンターにも利用できる。また冷蔵・冷凍ケースなどは、陳列と同時に在庫(保管)機能も持つ。
ショーケースの分類と主なショーケースの名称は、次のとおりである。
クローズドケース
正面(前面)も含めてガラスで囲まれているタイプのシ∃―ケースである。顧客は自由に商品に触れることができないが、高級感の演出や、商品の保護には有効である。
オープンケース
正面(前面)にはガラスがなく、空いているタイプのショーケースである。顧客は商品を容易に手に取ることができる。
リーチインケース
前面にガラス扉のついた冷蔵・冷凍庫。商品の補充も前面の扉を開けて行う。CVSで冷凍食品などに使われている。リーチインクーラーともいう。
ウォークインケース
顧客から見れば、日のリーチインケースと変わりがないが、これはケースの後ろがそのまま大きな冷蔵庫になつている。清涼飲料やビールなどを箱ごと、ケースごと冷やしておくことができる。商品の補充は、店員がこのケース内に入り(ウォークイン)裏側から行うため、先入先出が容易になる。一方でスペース効率とエネルギー効率が低いという欠点がある。