バーコード

PLU方式とNon=PLU方式

PLU (Price Look Up)

 PLU は、取扱商品の商品コードと価格、商品名との対応テーブルで、ストアコントローラ内にある。ストアコントローラとはPOSシステムが稼働しているコンピュータのことと理解しておけばよい。JANコード等のバーコードは、印刷されるシンボルに「商品コード」を持たせることはできるが、価格情報は持たせていない。そのためレジでスキャンしたときに、読み込んだ商品コードをもとに価格を照会する必要がある。

Non=PLU (Non Price Look Up)

 ストアコントローラヘPriceをLook U pに行かず、価格情報の入つたバーコードをスキャンして価格情報を表示することをいう。バーコードの中に価格情報が組み込まれているものをいい、短命な商品に利用されることが多い。惣菜や生鮮食品のように包装単位ごとに価格が異なる商品や、書籍や雑誌のようにプロダクトライフサイクルの短い商品が代表的である(書籍は定価販売なのでNonPL∪ となる)。さらには、一品一品の価格が異なるアパレル製品等では、価格情報をストアコントローラに入力するのは困難なため、バーコードに販売価格を直接埋め込むNonPLUが使用されることがある。

ソースマーキングとインストアマーキング

ソースマーキング

 商品の製造元や販売元が商品の製造段階で、JANコードを商品の包装や容器にマークすることである。日本ではC∨Sの力が増すにつれて急速にソースマーキン
グ率が上がつた。ソースマーキングするためには、あらかじめGSl事業者コード(メーカーコードのこと)を取得する必要がある。

インストアマーキング

 店内で印刷した独自のバーコードラベルを作成し商品に貼ることである。生鮮品は、店内でパッケージをしたり、重量などによつて価格が異なつていたりするため、店内でバーコードを印刷した独自のラベルを作成し商品に貼っている。自社だけで通用すればいいのでGSl事業者コード(メーカーコード)を取得する必要はない。またデータ構成を自由に設定できるため、バーコードに価格データを含めることができる。つまり、インストアマーキングには、バーコードの中に価格情報が入っているNon=PL∪タイプと、バーコードの中に価格情報が入っていないPL∪U夕イプがある。」ANとの混同をさけるため最初の2桁(JANの国コード部分)は02もしくは20~ 29を使用する取り決めになっている。

JAN(Japanese Articte Number)コード

 JANコードは、国際的にはEAN(European Artlcte Number)コードと呼ばれ、アメリカやカナダにおけるUPC(Universal Product Code)と互換性のあ
る国際的な共通商品コードである。」ANコードには、13桁の標準タイプと8桁の短縮タイプの2つの種類がある。
 メーカーコードの不足を受けて、2001年以降の新規登録分からはGSl事業者コード(メーカーコード)9桁(国コード2桁含む)が利用されており、現在は並行して利用されている。
JANコードの最初の2桁は国コードであり、現在「49」と「45」が日本の国コードとなつている。ただし、この国コードは「原産国」を表しているわけではない点に注意が必要である。JANコードは、商品のブランドオーナー/発売元/製造元等である供給責任者がどこの企業か、さらに、該当する企業の何の商品かを識別するためのものである。最初の2桁が「49」「45」だからといつて、その製品の原産国が日本かどうかは無関係である。

JANコードを利用する際の留意点

  • GS1事業者コードは、3年ごとの更新手続きが必要(永久貸与ではない)となる。
  • ANコードの設定対象は「消費者購入単位」である。段ボール箱等に入つた集合包装の商品であつても、小売店頭で直接、消費者が購入する単位であれば、JANコードによる識別の対象となる。
  • 商品アイテムコードは、単品識別できる最小単位で設定する。商品アイテムコードのつけ方は、G丁INアロケーション(付番)ガイドラインに準拠している(GTINは後述)。よつて、例えば、希望小売価格が異なる場合、色が異なる場合、販売単位が異なる(3個入り、5個入り)場合等には、商品アイテムコードを変えることが原則となる。なお、既存商品で仕様や容量、品名が変わつた場合も新たに設定する。また、―度使用した商品アイテムコードはメーカー(発売元)が出荷停止後最低4年位は他の商品に再利用しないことが勧められている。ただし、キャンペーン商品は出荷停止後lヵ月間、日配品は半年ないし1年位が目安とされている(この際、小売業や卸売業における流通在庫がなくなったことを確認した上で再利用することが勧められている)。

その他のバーコード

ITF (lnterteaved Two of Five)

 ITFは、日本において集合包装用商品コード(標準物流コード)として使用されているコードで、主に、ダンボールに印刷されている。つまり、図表2-5‐ 6の集合
包装用商品コードは、ITFで表現されたものである。5本のバーおよびスペースのうち、2本が太いという構成でひとつのキャラクタを表す。

①ITFの特徴
 ITFは次のような特徴をもつている。

1)5本のバー(スペース)で1キャラクタを表現する。
2)1文字目はバーで表し、2文字目はスペースで表すという構成になつている。(ITは必ず偶数桁になる)
3)大変密度が高い。(バーとスペース両方に意味をもたせるため)したがって、他に比べて小さなスペースに多くの情報を盛り込むことができる。
4)桁落ちが発生しやすい。これは、たとえば8桁のデータを4桁しか読み取らないというエラーである。

②集合包装用商品コード(lTFを使ってつくられたコード)
 物流の多様化、高度化に対応するために生まれたバーコードである。企業間の取引単位である段ボールなどの包装パッケージにマーキングされる。このコードには、中に入つている商品の包装形態(何個入りかなど)の情報が含まれている。開梱せずに中味が外から識別できるため、仕分け、ピッキング、検品棚卸などの合理化が可能になる。
集合包装用商品コードは14桁で、最初の1桁はパッケージインジケータ(PI)と呼ばれる入り数(箱に入つている数)を表すための桁である。
パッケージインジケータは、入り数そのものではなく入り数に対応したコードを利用者側が決めて使用する。また、JANコードを利用することができるため、集合包装用商品コードを使用するためにGSl事業者コード(メーカーコード)を取得する必要はない。

Code 128

 アスキーコード128キヤラクタすべてを表現することができるバーコードである。1キャラクタを表すのに3本のバーと3本のスペース(合計6本)を使う。
CODE128は次のような特徴を持つ。

1)フルアスキー128文字を取扱可能。
2)3種類のスタートキヤラクタの使い分けを行う(使用可能なキヤラクタをスタートキヤラクタで区別している)。
3)ひとつのバーパターン(6桁)で2桁の数値も表現可能。
4)4種類の太さを使用するため、高い印刷精度が要求される(JANと同様)。

2次元シンボル

 バーコードが普及し、その利便性が世界的に認識される一方で、「多くの情報を含んだバーコードを小さな商品スペースに表示したい」、「英数字、漢字、かな等の文字種を表現したい」というニーズが出てきた。これらの二―ズに対応するのが2次元シンボルである。
JANやITFシンボル等、通常のシンボルは、情報が横(水平)方向にのみ表示されるため1次元シンボルと呼ばれる。これに対して、水平と垂直方向、つまり2次元方向に情報をもつため2次元シンボルと呼ばれている。

・関連用語: POSシステム

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