数理計算上の差異(すうりけいさんじょうのろす) – actuarial gain or loss

退職給付会計において用いられる予測計算の結果と実績とに生じた差額のこと。退職給付会計では、1年間の損益計上額を期首の年金資産及び退職給付債務をもとに一定の仮定計算で予測計上するが、その結果、1年後の年金資産及び退職給付債務が暫定で確定する。他方で、1年後には年金資産時価及び退職給付債務の現在額を把握しており、これら事前の予測値と事後の実績値の差異を数理計算上の差異と呼んでいる。数理計算上の差異の発生原因には、①年金資産の運用に係る期待と実績との差異、②退職給付債務の数理計算に用いた見積数値と実績との差異及び③見積数値の変更等により発生した差異がある。数理計算上の差異は確率計算におけるバラツキを原因とするため、現行の基準では、発生した翌期から平均残存勤務期間内の一定の年数で償却する(遅延認識)。

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