在庫管理の目的は、企業経営の円滑な運営と経済効率の両面から、部品・材料、 仕掛品、製品などの在庫を適正状態に維持することにある。多すぎても少なすぎて も、問題が発生する。
在庫が多すぎる場合の問題点
1)運転資金の固定化
在庫は資産 (棚卸資産)ではあるが、キヤツシユではない。そのため資金繰 りの悪化につながる。
2)デッドストック増加
製品のライフサイクルが短縮している中で、在庫を抱えることは、陳腐化リ スクに結びつくことになる。
3)在庫関連費用の増加
借入金の金利、保管料、管理 (人件)費など在庫をもつために発生する費用 が増加する。
4)市場対応力・柔軟性の低下
旧型モデルが大量に在庫として存在する、あるいは古い材料や部品を抱えて いる場合、新製品への切り替えが遅れることになる。
5)保管スペースの増加
在庫を保管するため、倉庫などのスペースが増加する。
在庫が少なすぎる場合の問題点
1)品切れによる機会損失増加
信用度低下 在庫が少なければ、それだけ品切れ発生のリスクは増加する。さらに品切れ が発生すると信用度の低下を招く。
2)生産期間 (納期)の長期化
調達リードタイムの長い資材や部品が在庫されていない場合、即生産期間の 長期化につながる。
3)緊急調達増加によるコスト増加
在庫切れが発生した場合、通常の発注ではなく緊急発注するケースが増え る。当然、緊急発注は通常の発注に比べ割高となる。