マーチャンダイジング

定義

 マーチャンダイジングとは、流通業がその目的(目標)を達成するために、マーケテイング戦略に沿って、商品、サービスおよびその組み合わせを、最終消費者のニ―ズに最も良く適合し、かつ消費者価値を増大するような方法で提案するための、計画・実行・管理のことである。流通業には卸売業と小売業が含まれるが、中心になるのは小売業となる。商品を「品揃え」「陳列」「演出」「販売促進」「値付け」などの活動を通して商品に育て上げるのがマーチャンダイジングである。品揃えについては、商品のみの販売だけではなく、商品とサービスとの組み合わせという観点も必要となる。例えば、「パソコン」の販売だけではなく、「修理・保証サービス」や「インターネット接続サービス」も販売する、という観点が必要となる。

5つの適正

 アメリカ。マーケティング協会(AMA)によるマーチャンダイジングの定義(1948年)は、「適正な商品を、適正な場所で、適正な時期に、適正な数量を、適正な価格(5つの適正)でマーケテイングすることに関する諸計画」としている。また、その後の定義改訂では、「インストア・ディスプレイを展開するメーカーの販促活動および小売業における商品アイテムと商品ラインの明確化」としている。

その他のマーチャンダイジングに関する用語

ヴィジュアル・マーチャンダイジング(VMD:Visual Merchandising)

 VMDとは、小売業の販売戦略を実践する上で、自店のコンセプトを、視覚表現を通じて消費者に訴求する仕組みや手法のことである。統一したコンセプトの下、品揃えや陳列だけでなく、店内のインテリアコーディネートからカラーリング、POP広告に至るさまざまな視覚表現を行う。なお、VMDは、視覚的な訴求陳列に重点を置く手法であることから、マーチャンダイジングというよりも、陳列方法の概念に近いともいえる。

ライフスタイル・マーチヤンダイジング

 ライフスタイル・マーチヤンダイジングは、顧客のライフスタイルを中心にマーチャンダイジング戦略を行うことをいう。つまり、モノを横割りにした商品構成のことであり、たとえば、「女性の美」を主としたマーチヤンダイジング戦略であれば、化粧品、エステティック、美容、健康食品などを取り扱うビューティーショップが誕生することになる。

ライフスタイル・マーチャンダイジングのメリット

・従来のマーチャンダイジングに比べてニッチ商品が発見されやすく、商品間の相乗効果を発揮しやすくなる
・企業の主張や提案などが鮮明に打ち出されるため、消費者から認知されやすい
・新しい業態を創造できる可能性が高くなる
・販売促進のテーマやストーリーが作りやすい
・顧客データベースが構築されている場合は、ワントゥワンマーケティングやロイヤルティマーケティングが展開しやすい

・関連用語: 商品予算計画

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