在庫管理を効率化する方法に、重点管理がある。ABC分 析はその在庫の重点管 理の最も代表的な方法である。ABC分析は、
「 多くの在庫品目を取り扱うときそれ を品目の取り扱い金額または量の大きい順に並べて、 A、 B、 Cの 3種類に区分し、 管理の重点を決めるのに用いる分析(備考1:ABC分析を用いた管理の仕方を ABC管理といい、横軸に金額・量の大きい順に品目を、縦軸に累積の金額・量(ま たはその割合)を示した曲線をABC曲 線という。備考2:品 目の代わりに欠点や 不良項目をとった重点管理の分析法をパレート 分析という)JIS Z 8141‐ 7302」 と定義されている。
1.ABC分析の考え方
重点管理
ABC分析の基本的な考え方は、「全在庫品目に対し て一律で同じ 管理はしない」ということである。これは、―般に在庫金額の総額の80%が全在庫品目のうちの 20%で 占めら れているという状態を 前提にし た考え方である。
ABC分析図
ABC分 析には、ABC曲 線 (パ レート曲線)が利用される。
2.ABC分析結果の活用
A品目の管理
重点管理品目とし て 取扱う 。欠品を 避けるとともに 在庫水準が最小になるように 管理する。発注方式は 定期発注方式を 採用する。
B品目の管理
A品目よりは管理レ ベルを下げる。一般には定量発注方式を採用するが、単価が 高い品目については定期発注方式を用いる。
C品目の管理
管理の効率化を最優先する。定量発注方式またはダブルビン方式を採用する。
3.ABC分析による重点管理の期待効果
- (A品 目の在庫削減 )
- 在庫回転率向上 (A品目の回転率向上 )
- C品 目に関する在庫管理作業の軽減
- 原価意識の向上